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2024年7月3日(水)

  • お知らせ

安成工務店の工事監督・礒部隆昭の能登半島地震応急仮設木造住宅建設での取り組みのご報告

能登半島地震の発生から、7月1日で半年が経ちました。
石川県内では全国木造建設事業協会(全木協)など多くの団体が協力し、5,700戸を超える仮設住宅の建設が進み、現在次々と完成しています。
安成工務店では、今年3月、全木協の要請を受け、輪島市町野仮設団地の一部(198戸)建築の指揮を執るため、工事監督1名(礒部隆昭)を派遣し、監督業務に従事しました。
 
当時、震災被害の復旧の遅れなどが全国的に報道され、建築機材・職人不足などが顕在化し、私たちにも何かできることがないか、考えさせられるなかで大変重要な仕事をお任せいただき、奮起したことを思い出します。
また、安成工務店は、山口県と「災害時応急木造仮設住宅建設及び修理の協定」を締結していますが、幸いにも、その後山口県で大きな災害は起こっておりません。
 
今回、能登半島地震応急仮設木造住宅建設に工事監督を従事させることにより、能登半島地震に被災した方々への協力ができたことだけでなく、地元での万が一の災害が起こったときに迅速に対応する即応能力と、工事事業者をまとめ、最後まで完遂するリーダーシップを身に着けることができたことは大きな資産となりました。
 
そして6月15日、町野仮設団地198戸を完成させ、引き渡しを終えた礒部が山口に戻りましたので、そこでの体験や現地の状況など、ご報告いたします。
 
 
 

1. 被災地の様子

(礒部)能登半島の被災地は、訪れる前に思っていた以上に復興が進んでいませんでした。
現場に着いたのは3月1日で、道路は液状化し、車の運転もままならない状態でした。
現場近くで宿舎を取ることが出来ず、最初の1ヶ月間は金沢市から現場まで3時間かけて通勤しましたが、金沢市内は全く被災の影響を感じさせず、まるで別世界のようでした。
現場に近づくにつれて被害の酷さが増し、道路や建物の損壊が顕著で、町の人々も避難生活を続けている状態でした。
この現状を目の当たりにして、何度も涙がこぼれるほど心が痛みました。



 

2. 現場の様子

(礒部)現場は元々野球場とグランドゴルフ場があった場所で、そこに54棟198世帯分の住宅を3ヶ月で建設する計画が進められていました。
現場には常に100人以上の作業員が集まり、私は朝4時半に出発して夜遅くまで作業を続けました。設備は不十分で、車中泊をする方もおられました。
現場では様々な業者が協力し、特に大工さんたちは復興のために尽力してくれました。
降水量の多い地域での作業や劣悪な道路状況に悩まされながらも、大きな事故もなく、全員が復興に向けて一致団結して作業が進められました。


 

 

3. 現場でのエピソード

(礒部)現場での生活は過酷でしたが、多くの心温まるエピソードがありました。
例えば、地元の大工さんが廃材を使って自作の小屋やストーブを作ってくださり、そこで温まりながら打ち合わせをしました。
雪が降る寒い中、地元の方々が現場を訪れ「楽しみにしています」と声をかけてくれました。
その言葉が励みとなり、頑張ろうという気持ちを持ち続けることができました。
さらに、全国から集まった大工たちが方言や習慣の違いに戸惑いながらも協力し、現場の雰囲気を和ませるために笑顔を絶やさないよう努めていました。
最終日には毎日のように現場で出会った大工さんたちと写真を撮り、後日連絡を取り合あったり、感謝の気持ちを込めて飲み会を開くなど、絆が強まる瞬間が多くありました。


 

 

4. 得ることができたもの

(礒部)今回の経験を通じて、チームワークの重要性と困難な状況でも一つの目標に向かって努力すれば不可能はないことを学びました。
現場では全員が復興を目指して一丸となり、わずか3ヶ月で54棟、198世帯分の住宅を完成させるという難題を成し遂げました。
この経験は、組織やプロジェクトにおいて、同じ方向を向いて協力し、努力すれば大きな成果が得られることを証明してくれました。
また、多くの人々との絆が深まり、人生において大切な人間関係を築くことができました。

 

 


5. 被災地の皆様へ

(礒部)被災地の皆様に対して、心からの感謝とエールを送りたいと思います。私たちが建設した住宅に住んでいただき、心身ともにゆっくりと休んでください。
これまでの避難生活で多くの苦労をされてきたと思いますが、これからは新しい家で少しでも安らぎを感じていただければ幸いです。
何度もお礼の言葉をいただきましたが、それ以上に皆様の笑顔が私たちの励みとなりました。
どうか、これからの生活が少しでも穏やかでありますように、心から願っています。

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